アルガンオイル
久しぶりの更新!!
今回は、仕事を通じてであった素晴らしいオイルをご紹介しようと思います。
『アルガンオイル』。
アルガンオイルは、遠くアフリカのモロッコ先住民族に伝わる奇跡のオイルで、アルガンという名の樹木になる実から得られる油です。
①アルガンツリーの話
アルガンツリーはモロッコの南西部、サハラ砂漠の北端の限られた地域にのみ生育しています。地下10m以上に根を伸ばし、雨の少ない季節は葉を落として水分の発散を極力抑え、短い雨の季節には青々と葉を広げたくましく成長する。降水量が極端に少ない砂漠でも生育することの出来る生命力の強い樹木です。
そして、アルガンの生育する地域は、広く深く広げたアルガンの根によって、サハラ砂漠の北への拡大をせき止めています。
地球上でもモロッコの限られた地域にのみ存在すること。そして、このアルガンの林が砂漠の拡大を阻止していることから、ユネスコの生物圏保護区域に指定されています。世界遺産のようなものですね。
さらに、その希少性から食用オイルはイタリアで『第一回スローフード大賞』を受賞しています。
②アルガンオイルの話
先にかきましたが、アルガンオイルは現地の民族によって古くから利用されてきました。
彼らはベルベル人という名の民族で、モロッコの奥地で今も伝統的な生活を送っています。
ベルベルは、やけど、湿疹、肌のかさつき、髪のダメージなど、皮膚や頭髪のトラブルに対してアルガンオイルを使っています。この効能は、古くより伝わるアラブのイブン・アル・バイタール氏著『薬草論』にもその薬理作用が記述されています。
ベルベルはこのアルガンオイルを肌や髪の健康に、さらには食事にも積極的に用いていました。オイルを絞った実の残渣(絞りかす)は家畜のヤギのエサとして、さらにアルガンの樹木を建材などに利用しており、彼らにとってアルガンツリーは生活生活の一部といっても過言ではありません。
この、アルガンオイルの機能性はその構成成分からなっており、豊富に含まれるビタミンEや植物由来のステロール、テルペノイドなど、現代科学の分析によって次々に明らかになってきています。
さらに、この機能性は食用油脂としても非常に高い評価をうけています。
脂肪酸組成は不飽和脂肪酸であるオレイン酸やリノール酸を豊富に含み、先ほどお話したようなビタミンEリッチな特性や特殊な植物由来成分が抗酸化機能を発揮し、オイルを食した際のの抗酸化効果や動脈硬化の予防効果はヒトを対象とした研究によって確認されています。
オリーブオイルは健康に良いオイルとして、すっかり定番の植物油脂ですね。悪玉コレステロールを減らして善玉を増やす。血液をさらさらにする、などなど・・・。これらの効果はオリーブ油の脂肪酸組成とビタミンE含量からなっているのですが、アルガンオイルはオリーブ油よりも優れた脂肪酸組成であり、ビタミンEについてはオリーブ油の4倍以上含まれているのです!
食用として用いるアルガンオイルは、香ばしい風味が特徴的。パリのタイユヴァンをはじめ、ヨーロッパ、アメリカの三ツ星レストランで高い評価をうけています。国内でも著名なシェフ達の間で認知度が高まりつつあり、最近は中華の巨匠陳さん(オール電化のCMで『ハオシー!!』っていってるチャーミングな人です)がアルガンの独特な芳香を高く評価をしています。
オリーブ油を越えるオイルは、イタリアから地中海を越え、遠くアフリカの山奥にあったという訳です。
③モロッコ ラバト大学の女性植物学者教授の働き
アルガンオイルは古くより伝統的に用いられていましたが、少しずつ世界の人々に認知されつつあります。
当然、海外に向けた商業的生産が求められてきました。
結果として、
・過剰、違法なアルガン実の採取、及び伐採が進んだ。
・現地のベルベルは、低賃金、過労働による悪条件の基での労働を求められた。
・商業的観点のみで進出しようとする業者が、品質の悪いオイルを生産した。また、精製を繰り返すなどして、本来のスローでロハスな意味の持たないオイルを生産した。
このような現状を生み出しています。
モロッコでアルガンツリーの生態を研究していたラバト大学の教授は、この状況をアルガンの危機と認識し、アルガンとベルベルを守る活動を開始しました。
彼女の意向は
『現地の生活とアルガンの林を守り、かつ高品質な本物のアルガンオイルを少しでも多くの人に知ってもらおう』
ということです。
そのために、彼女は、商業的に高品質かつスローなオイルを生産するシステムを開発し、
現地にすむベルベルの女性達を集めて、アルガンオイルの生産組合を設立しました。
ベルベル民族の女性は社会的な地位が低く(女性は家で家事をしているもの。という伝統より)、十分な教育も受けることができなかったので、組合員となり仕事を与えることで社会的な存在の意義を彼女達にあたえる事ができました。女性教授の働きが現地女性の社会性を確立したのです。
さらに、生産組合製のオイルで得られた利益は
①アルガンツリーの植林活動
②女性組合員への識字教育
③アルガン生産システムの改良
へと使われ、現地の生活の更なる向上へと使われています。
組合の設立は、単なる高品質オイルの生産だけでなく、現地に住む女性の地位向上への貢献も果たしているのです。
・・・長くなってしましましたが、
アルガンオイルは
①モロッコ伝統の希少な植物オイル
②スローで、地球環境を支えるオイル
③現地女性の社会的地位向上への貢献を意味するオイル
高品質アルガンオイルの普及は、消費側の喜びであるだけでなく、現地ベルベル社会へ還元されるのです。
私はアルガンオイルを外用/食用で愛用していますが、
外用:すっげーのびて、すっげーしっとり!油なのにべとべとしないし、冬の感想肌や日焼けの肌荒れなどに手放せません!
食用:香ばしい香りは、本当に食欲をそそります。白身魚のソテーやクリームソース(パスタや主菜のソース)、ヴィネグレットもぐっとです。シンプルに楽しみたいときは、バニラアイスにかけます。ヘイゼルナッツ風の香りがたまりません!絶品です!
決してお手軽価格ではありませんが、美味しくて高品質なオイル、アルガンオイルを強くオススメします!
選ぶ際は、生産組合(タルガニン組合)のシンボルマークをわっすれずに♪